人材派遣は1960年代に米国で誕生したといわれます。この新しい雇用就労形態は、それから40年余りの間に、ヨーロッパ諸国やアジア諸国に広がった。
雇用保障、社会保険、労働条件という観点から人材派遣労働者の立場の脆弱性が危惧され、あるいは、正規労働者の雇用を保護するために、多くの国で人材派遣労働に関する厳しい規制が導入されたが、事業の繁閑に応じた人材配置や特別なプロジェクトの要員確保のために人材派遣を活用しようとする企業側の要望と、従来の働き方よりも柔軟な働き方を求める労働者側の要望がマッチし、人材派遣拡大の勢いはとどまるところをしらない。
そのため、かつては厳しい規制を採用していた日本や、ドイツやフランスをはじめとするヨーロッパ諸国も、市場ニーズに応えると同時に、人材派遣を効果的な雇用創出手段として用いるために規制を緩和しはじめている。
人材派遣市場は1990年代まではどちらかといえば先進諸国が中心だったが、ここ数年の間にハンガリー、チェコ、ポーランドといった中央ヨーロッパにも拡大し、注目を集めている。
人材派遣市場の拡大は人材派遣会社の拡大を意味する。大手人材派遣会社の多くは北米、ヨーロッパやアジア諸国だけでなく、中央・東ヨーロッパや中東にまで事業を拡大している。米国や英国など成熟した人材派遣市場における一般事務職などの人材派遣は飽和状態に近づいており、大手人材派遣会社の勢いはIT、医療、法律、会計など専門領域を得意とする中小人材派遣会社におされてしまっている。
大手としては新しい地域で人材派遣事業を開拓し、規模を堅持したいというところなのかもしれない。今後、人材派遣会社の盛衰は未開発の地域にどれだけ事業を拡大できるかにかかっていると言っても過言ではないでしょう。